空き家も遺品整理が必要!流れから費用の相場を解説。

2024年08月22日

実家が遠方にあり、他に住む親族もいない場合、どうしても空き家になってしまいがちです。「いつか整理すればいい」「誰も住んでいないからしばらくはそのままにしておけばいい」と思われるかもしれませんが、実は空き家をそのままにしておくことでさまざまなリスクが生じます

今回は空き家でも遺品整理が必要な理由や整理する際の流れ、作業をスムーズに進めるポイントについてご紹介します。

目次

記事監修者紹介

一般社団法人 認定遺品整理士認定協会
認定遺品整理士(認定 第 IS 01336号)
第二種電気工事士 愛知県知事許可 (第147439号)

進 康祐(シン コウスケ)
経歴

1997年7月にメイドマンの運営会社、株式会社プラウドエーに入社。
2011年に認定遺品整理士の資格を取得。
現在、プラウドエーにて遺品・生前整理事業部 部長として職務にあたる。
2022年7月にて入社25年を迎える。

1. 空き家も遺品整理が必要な理由

今、日本では少子高齢化や核家族化、都市への人口集中など、さまざまな要因によって空き家が増加しています。総務省が5年ごとに実施している『住宅・土地統計調査』によると、2023年現在の全国の空き家は900万戸と過去最多で、空き家率に関しても13.6%と過去最高となりました。今や日本の住宅の10軒に1軒は空き家という状況で、深刻な社会問題となっています

まずは空き家でも遺品整理を行わなければならない理由と放置することで発生するデメリットについて考えてみましょう。

防犯対策

管理されていない、人目につきにくい空き家は犯罪者にとっては絶好の拠点となります。空き巣などの犯罪行為の拠点に使われてしまう、身を隠す場所として使われてしまうといったリスクがあります。

また、不審者が侵入したりホームレスが住み着いてしまったりといった事態も考えられます。特に遺品整理がされておらず室内に物が溢れかえっている場合、犯罪者や不審者の格好の居場所となってしまいます。

衛生管理

空き家は周囲の住環境にも影響を及ぼす場合があります。たとえばゴミが放置されていれば、悪臭が発生したり害虫や害獣が繁殖したりする可能性が高いです。また、浄化槽を放置しておけば、やはり悪臭が発生したり汚物が流出したりすることもあり得ます。さらには建物に石綿などが使われている場合、それが飛散すれば周辺住民の健康を害する事態にもつながりかねません

気持ちの整理ができる

親御さんとの別れは大変つらく、なかなか受け入れがたいものです。しかし、そのままだとどんどん気持ちが落ち込んでしまいます。遺品整理をすることでご自身の気持ちも整理でき、「新しい一歩を踏み出そう」という前向きな気持にもなれます

売却する際に円滑に取引ができる

空き家を売却したり賃貸に出す場合、室内を清掃したり老朽化している部分を修繕したりするなど物件のコンディションを整える必要があります。遺品が整理されている状態であればその後のハウスクリーニングやメンテナンスもスムーズになり、購入希望者や借り手も早期に見つかりやすくなります

特定空家に指定される

今空き家の増加が深刻な社会問題となっており、行政も解決に向けて動き出しています。「空家等対策の推進に関する特別措置法」により、倒壊するおそれがある空き家や保安上危険とみなされる特定空家の所有者に対して行政機関が適切に管理するよう行政指導や命令をすることができます

また、2023年には同法が改正され、特定空家や管理不全空家(管理が行き届いておらず特定空家になるおそれがある空き家)は固定資産税の軽減措置の対象外となり、固定資産税が従来の6倍に跳ね上がるおそれもあります

2.業者に依頼した時の費用の目安

以上のように、空き家であっても遺品整理を行わなければならない理由は数多くあり、そのまま放置しておくことでさまざまな弊害が生じるリスクがあります。とはいえ遺品整理を業者に依頼すると費用がかかります。物量や状態にもよりますが、概ね以下が目安です。

  • 1K:4万円~
  • 1LDK:10万円~
  • 2LDK:15万円~
  • 3LDK:20万円~

特に一軒家の場合はこれよりもさらに高額になると考えられます。とはいえ、安いだけの業者に頼んでしまうと物品をぞんざいに扱われるなど作業の品質に問題がある業者にあたってしまう可能性もあります。値段だけでなく寄り添った対応をしてくれるか?担当者が誠実であるか?といった点にも着目してみましょう。

3.自分で空き家整理をするときの流れ

業者に依頼すると費用がかかるため、ご自身で空き家の遺品整理を行うという選択肢もあります。ここからは作業の流れについて、順を追って見ていきましょう。

自分で空き家整理が可能か判断する

まずは遺品整理がご自身で可能かどうか判断しましょう。以下のような条件に当てはまれば、大変であるのは間違いありませんがご自身で作業することも可能です。

  • 家の広さが3DK未満
  • 数日~数週間程度のスケジュールが確保できる
  • 3人以上の人手が確保できる
  • 家財やゴミが少ない
  • 電気・水道が通っている

また、作業を開始する前にはゴミや不用品の処分方法やルールについても確認しておきましょう。

道具の準備

遺品整理を行う際にはものを分別したり運んだり、さまざまな作業を行わなければなりません。また、汚れたり怪我をしたりすることも想定されます。以下のような道具を揃えておきましょう。いずれもホームセンターなどで購入可能です。


  • マスク
  • 滑り止め付き軍手
  • 段ボール、油性マジック等の文房具
  • ドライバー、ペンチ、ハサミ等の工具
  • ゴミ袋
  • ガムテープや紐
  • 殺虫剤
  • 動きやすく汚れていい服
  • 清掃道具(掃除機、ほうき、雑巾、洗剤など)
  • 台車(自分でゴミを運ぶ場合)

害虫駆除

特に長期間放置していた場合、害虫が発生している可能性もあります。その状態で作業を行うと健康を害したり不快な気持ちのまま整理を行うことになってしまったりします。まずは作業に入る前に殺虫剤などで害虫駆除をしましょう。

ゴミの仕分けと処分

遺品を「必要なもの」「買い取りに出すもの(使えるけど不要なもの)」「処分するもの(ゴミ)」というように仕分けましょう。これによって後々の作業が大幅に効率化できます。処分するものに関しては、さらに自治体のルールに則って可燃ゴミ、不燃ゴミ、粗大ゴミというように分別して処分します。

遺品を仕分ける

遺品はさらに「重要書類や資産価値があるもの」「思い出があるもの」に分けます。遺品整理を行う際には必ず遺族間でしっかりと話し合いをしておきましょう。故人から特定の物品を譲り受けることを約束しているケースや、不用品だと思い込んで大切なものを処分してしまったというケースもあり、それがトラブルに発展することもあります。

遺品の仕分け方については以下の記事でさらに詳しくご紹介していますので、ぜひそちらもお読みください。

家の清掃

遺品整理が終わって物品を運び出したら清掃を行いましょう。家の中を清潔にしておくだけでもトラブルが発生するリスクを大幅に減らすことが可能です。また、傷んでいる箇所や危険な箇所がある場合は必要に応じてメンテナンスしましょう。


4.早く進めるポイント

遺品整理は想像以上にやることが多いです。お仕事やご家庭のこともあるため、なるべく早く終わらせるに越したことはありません。そこで、ここからはスムーズに作業を進めるためのポイントについて見ていきましょう。

家族・親族と事前に相談しておく

トラブルや揉めごとが発生するのも遺品整理が長引いてしまう要因です。遺品整理を行う際には、ご家族や親族とあらかじめ相談しておきましょう。また、相談することで作業を手伝ってくれたりアドバイスが貰えたりする可能性もあります。


1部屋ずつ片づける

特に郊外の家や築年数が古い家は敷地面積が大きく、部屋数も多い傾向があります。一気に家の中すべてを片付けようと思うと心理的にもハードルが高くなってしまうものです。

「今日はこの部屋だけ」「明日はこの部屋とこの部屋を」というように、1部屋ずつ片付けていくことでハードルが下がり、モチベーションの維持につながります

5.メイドマンの事例

一軒家ともなるとなかなかご自身だけで遺品整理を行うのは大変です。日常生活に支障をきたさないためには、お身体に負担をかけないためには、業者に依頼するというのも手です。

メイドマンではこれまで数多くの遺品整理をお手伝いしてきました。大切なお品物を丁寧に扱い、お家をきれいにいたします。写真付きで事例をご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

6.空き家の遺品整理はメイドマンにおまかせください。

メイドマンは1996年に名古屋市で創業し、これまで地域に密着して遺品整理や生前整理、空き家整理をお手伝いさせていただきました。明朗会計なので安心。不用品の買い取りで費用をお安くすることもできます。遺品整理はもちろんお客様のご要望に応じて室内の清掃や植栽の剪定、除草作業など、幅広く対応可能です。

遺品整理は非常に大変な作業です。ご自身だけで難しいと感じたら、お気軽にご相談ください。お客様に寄り添いながら、故人の想いを大切にしながら、対応させていただきます。