49日前に遺品整理はしてもいい?メリットと注意点を解説

2024年07月30日

「家族・親戚が亡くなって遺品整理しなければいけないけど、49日前に行って良いものなの?」こんなお悩みをお持ちではないでしょうか。

故人が残した遺品は、人によって思い入れ度合いが異なります。そのため、遺品整理する際はなるべく多くの人が関われるのが理想です。しかし、家族・親戚一同が遺品整理のため、仕事や家事に忙しい合間を縫って集まるのは現実的ではありません。

そこで、家族・親戚一同が集まりやすい49日前に遺品整理を行うのが良いとされる意見もありますが、実際のところどうなのでしょうか?本記事では遺品整理を49日前に行うメリットと注意点を解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。

目次

記事監修者紹介

一般社団法人 認定遺品整理士認定協会
認定遺品整理士(認定 第 IS 01336号)
第二種電気工事士 愛知県知事許可 (第147439号)

進 康祐(シン コウスケ)
経歴

1997年7月にメイドマンの運営会社、株式会社プラウドエーに入社。
2011年に認定遺品整理士の資格を取得。
現在、プラウドエーにて遺品・生前整理事業部 部長として職務にあたる。
2022年7月にて入社25年を迎える。

遺品整理は49日前に遺品整理は行ってOK

遺品結論からいうと遺族間での同意が得られていて気持ちの整理が付いているのであれば、遺品整理を49日前に行っても問題はありません。遺品整理を早めに行うことで、さまざまな手続きの期限が過ぎたり、家賃やサブスクリプションサービスなどを解約できて不要な出費を防げたりできます。

一方で遺品整理は故人への気持ちを整理することにもつながります。故人との別れは関わりが深いほど悲しくて辛いものです。気持ちの整理が付かない状態で遺品整理しても、過剰なストレスになったり、正常な判断で遺品の仕分けができなかったりしますので、無理に行うことはありません

遺品整理を正確かつスムーズに進めるためにも、気持ちの整理が付く前に行うのは可能な限り避けましょう。

49日とは

49日とは、命日を1日として数えて49日目に行う追善法要のことを指します。仏教における故人の供養の期間を指す仏教用語の一つです。

仏教では、人がなくなった後49日間は魂が浄土に向かう途中の状態であると考えられています。そのため、49日間は遺族が故人の供養を行い、浄土への旅立ちを祈る大切な期間とされているのです。

また、仏教では49日の間のことを「忌中」と呼んでおり、結婚式や七五三などのお祝いごとや新年の挨拶を制限しています。絶対にしてはいけない決まりではありませんが、日本の風習にもあるため、遺族の中には気にする人がいるかもしれません。

ご家族、親族の心情を配慮して、お祝いごとやイベントごとなどは特段の事情がない限り中止もしくは延期したほうが無難です

遺品整理を早めに行うメリット

遺品整理は故人への気持ちを整理する行為であるため、早めに行うことに抵抗がある人が多いかもしれません。しかし、遺品整理を早めに行うのには、以下のようなメリットがあります。

  • 四十九日の法要で遺品を形見分けできる
  • 早めに気持ちの整理をすることができる
  • 遺族トラブルを防ぐことができる
  • 部屋を早く明け渡せる
  • 空き家になるリスクを防げる

一つずつ解説します。

四十九日の法要で遺品を形見分けできる

遺品整理を四十九日の法要までにしておくと、その場で遺品を親交のあった人に形見分けできるメリットがあります。

親戚の中には、遠く離れた場所に住んでいる人もいるため、遺品整理のために何度も現地へ足を運ぶのは現実的ではありません。そのため、四十九日の法要で遺品の形見分けができるようにしておくと、親戚一同が集まれるタイミングを活かせます

しかし、四十九日の法要でスムーズに形見分けするためには、事前に時間を作ってある程度整理を進めておきましょう。

早めに気持ちの整理をすることができる

四十九日の法要前に遺品整理を行うことで、早めに気持ちを整理できます。故人との親交が深いほど、気持ちの沈みは避けられないものです。しかし、故人が亡くなってからも遺族の生活は続きます。生活や仕事に支障が出るおそれがあるため、気持ちの整理をつけるためにも、遺品整理を早めに行うのは悪いことではありません

ただし、遺品整理は無理に行っても逆効果になる可能性があります。遺品に触れることで思い出に耽溺し過ぎた結果落ち込んでしまうこともあるため、無理のない範囲でしましょう

遺族トラブルを防ぐことができる

気持ちの区切りがつかないからと、遺品整理を後回しにしてしまうと相続人同士のトラブルに発展する可能性があります。たとえば、他の遺族が勝手に処分したり、高価な遺品を持ち出して売却したりするなどのトラブルが起こり得ます。

また、遺族は故人の遺品を相続するか相続放棄するかを選択できます。相続放棄をするかどうか判断するためには、遺品や個人の債務の内容を把握して財産状況を確認する必要があります

しかも、相続放棄は故人がなくなってから3ヶ月以内に家庭裁判所に申述しなければいけません。故人の財産がマイナスの場合でも、期日を過ぎると自動的に相続してしまうため、遺族で責任問題のトラブルが発生します。

早めに遺品整理を行うことで、円満・円滑な遺産分割・相続・相続放棄にもつながります

部屋を早く明け渡せる

故人が賃貸や老人ホームといったサービス施設に住まわれていた場合、遺品整理を前倒しすることで次の入居者に部屋を早く明け渡せます。部屋の管理者や入居希望者のためだけでなく、ご遺族にとっても賃貸や老人ホーム代の出費を減らせるのです。

もし相続人が多数いて、費用を折半してもらえるのであれば、遺品整理しない間の支払い負担は軽減できます。しかし、相続人の中には故人との関係性が薄いため、支払いを拒否する場合もあります。

金銭的な負担を抑える意味でも、早めの遺品整理は効果的です

空き家になるリスクを防げる

故人が持ち家で一人暮らしをされていた場合、そのまま空き家になるケースは珍しくありません。近くに管理している遺族が住んでいたり、引き続き遺族が住んだりするならば良いのですが、放置されると厄介なことになります。

建物が空き家になってしまうと、火災や不法侵入、不法投棄などのリスクが高くなります。 たとえば遺族が空き家を放置した結果、放火や不審火によって火災が発生して近隣の住民に被害を及ぼすと損害賠償を請求される可能性があります。

空き家を放置するリスクを理解して、遺品整理でどうするのか早めに遺族間で相談しましょう

49日前に遺品整理をする注意点

遺品整理を行う際には、トラブルが発生しないよう以下の注意点を意識しておきましょう。

  • 遺言書やエンディングノートの有無を確認する
  • ほかの遺族に了承を得る
  • 重要書類をまとめておく
  • 相続税の申告期限(死後10ヶ月以内)までに終わらせる
  • 相続放棄する場合は遺品整理をしない

それぞれを詳しく解説します。

遺言書やエンディングノートの有無を確認する

遺品整理を行う前に、故人が遺言書やエンディングノートを遺していないか確認しましょう。

遺品整理で優先されるのは、遺族ではなく故人の意思です。遺言書やエンディングノートには、遺産の分配方法や葬儀の方法など、故人の最期の意思が記載されています。

特に遺言書は法律に則って作成する必要があるため、法的拘束力を持っている可能性があるため無視はできません

また、遺言書やエンディングノートに記載してある内容に従って遺品整理を行わなければ、遺族間で争いの火種となります。遺品整理を行う前に、遺言書やエンディングノートを遺していないか探しましょう。

ほかの遺族に了承を得る

遺品整理を開始する前に、他の遺族の了承を得るようにしましょう。遺族から了承を得る前に遺品整理を進めると不要なトラブルを生みます。

たとえば処分した遺品が他の遺族にとっては大切なモノを処分してしまったり、高価なブランドを売却して利益を得たのではとあらぬ疑いをかけられたりするケースがあります。そのため、遺品整理を行う際は相続人全員から同意を得た後にしましょう

仮に遺品整理の了承を他の遺族から得たとしても、自衛のために処分したモノのリストと写真証拠を残しておくと安心です。

重要書類をまとめておく

遺品整理の前に、相続やサービスの解約に必要な重要書類はまとめておきましょう。故人がなくなってやるべきことは遺品整理だけではないため、49日前に無理に遺品整理を間に合わせようとすると作業が雑になってしまうことがあります。その結果、重要書類までも処分してしまうと遺産相続を円滑に進められません。

遺品整理で誤って遺言書や故人の手紙、土地の権利書などを捨ててしまわないように、重要書類は事前にまとめておきましょう

相続税の申告期限(死後10ヶ月以内)までに終わらせる

遺品整理は相続税の申告期限までに終わらせましょう。国税庁では相続の発生を知った日の翌日から10ヶ月以内に相続税の申告をするよう定めています

49日経過した時点では、申告期限まで約9ヶ月半の期間が残されていますが、相続税の申告はすべての遺産を遺品整理で把握しなければできません。

「時間があるからまだ大丈夫だろう」と油断していると、あっという間に期限が来てしまうため、遺品整理はなるべく早く行いましょう。

相続放棄する場合は遺品整理をしない

遺品整理に参加する相続人は遺産を相続する意思があるとみなされるため、相続放棄ができなくなる可能性があります。

しかし、「遺品整理しないと負の遺産があるのかわからないのでは?」と疑問に思う人もいるでしょう。遺品整理前に行う負の遺産の確認は、対象に含まれないため安心してください。

遺品整理は、故人の遺品を整理・処分・形見分けなどを行う作業です。一方で負の遺産の確認は、財務的な作業のため、遺品整理とは分けられて考えられます。

相続放棄の選択肢を消失させないためにも、遺品整理前に負の遺産の確認をしましょう

遺品整理は自分でできる?

遺品整理はご自身でも十分にできる作業です。しかし、作業の流れや注意点をしっかり押さえておかないと遺族間でのトラブルに発展する可能性があります。

遺品整理をご自身で行う際は、どのような手順で行うのか?作業までにするべきことは何があるのかを?十分に確認してから行いましょう

ご自身で遺品整理をする際に準備すべきものや作業の流れ、注意点についてはこちらの記事をご覧ください。

また、整理する遺品が多すぎると莫大な時間と労力がかかりすぎます。特に大型の家財道具や家電が多くて処分に困る場合は、遺品整理業者に依頼するのもおすすめです

遺品整理は49日前に終わらせるのがベスト!

四十九日の法要で遺品を形見分けできたり遺族間でのトラブルを防げたりするなどのメリットを考えると、遺品整理は49日前に終わらせるのがベストです。

しかし、気持ちの整理が付かない場合は正常な判断ができない可能性があるため、無理に進めないようにしましょう。割り切る必要はありません。

遺品整理が難しい状態が続くのであれば、他の遺族や専門家の力を借りましょう。

49日前の遺品整理はメイドマンにご相談ください。

遺品整理は、後回しにするほど遺族で集まるのが難しくなったり、相続に関する手続きの申請期限を過ぎたりするリスクがあるので、早めに行うに越したことはありません。

メイドマンは1996年に名古屋市で創業し、幅広い対応力で厚い信頼をいただいてきました。料金は明朗会計で不用品の買取で費用を抑えることもできます。愛知県で遺品整理にお困りなら、私たちにご相談ください。心を込めてお手伝いいたします。