自分でできる遺品整理の進め方。業者に頼むメリットも解説

2024年07月02日

遺品整理はやるべきことが多く、他の相続人と揉める可能性もあるため、しっかりと流れを把握して、計画を立てた上で作業を進める必要があります。加えて大切なご家族が亡くなられてつらい気持ちの中作業を行うのは精神的にも大きな負担となります。

この記事では遺品整理を自分で行う際に意識しておきたいことや準備すべきこと、遺品整理の流れやご自身で遺品整理を行うメリット・デメリットについてご紹介します。

目次

記事監修者紹介

一般社団法人 認定遺品整理士認定協会
認定遺品整理士(認定 第 IS 01336号)
第二種電気工事士 愛知県知事許可 (第147439号)

進 康祐(シン コウスケ)
経歴

1997年7月にメイドマンの運営会社、株式会社プラウドエーに入社。
2011年に認定遺品整理士の資格を取得。
現在、プラウドエーにて遺品・生前整理事業部 部長として職務にあたる。
2022年7月にて入社25年を迎える。

1. 遺品整理を始める前に~スケジュール決めと親族と話し合う~

自分で遺品整理を行う際にはまずスケジュールを決めておくこと親族間としっかり話し合っておくことが大切となります。以下のようなことを意識して遺品整理の準備を進めましょう。

他の相続人との話し合いの場を設ける

まずは親族(他の相続人)としっかりと話し合っておきましょう。たとえば故人と他の相続人が貴重品を形見としてもらう約束をしていたといったケースもありえます。トラブルを防ぐために、遺品整理を任されていたとしても、どのように進めていくか?を共有し、故人と約束していた事柄があるか?といったことを確認しておきましょう。

四十九日など親族が集まるタイミングで話し合いをされるのがおすすめです

負の財産に注意

相続されるのは現金や不動産などの財産だけではありません。遺産を相続する場合、借金などの「負の遺産」も相続の対象となります。仮に相続する遺産よりも借金のほうが多い場合は、相続放棄を選択することも可能です。

ただし、負の遺産を十分に確認することなく遺品整理を始めると、相続するとみなされることもあります。必ず故人に借金などがないか?あるとすればいくら借り入れているのか?を確認しましょう

2.遺品整理に必要なもの

遺品整理をするにあたって用意しておいたほうがいい物がさまざまあります。実際に作業を行う場合は以下のような物を用意されることをおすすめします。いずれもホームセンターなどで手軽に購入できます。

段ボール、油性マジック等の文房具

遺品を仕分けする際は段ボールがあると便利です。処分する物についてはそのまま持ち出すこともできます。油性マジックなどの筆記用具も用意し、どの箱にどんな物が入っているのかを書いて後からわかる状態にしておきましょう

また、遺品整理では書類も整理しなければならず、そのなかには相続手続きに必要となるものもありますので、クリアファイルやチャック付きの袋があるとなおよいです

ドライバー、ペンチ、ハサミ等の工具

家具や大きめの家財道具は解体すれば運び出しや処分する際に楽になります。ドライバーやペンチなどの工具も用意しておきましょう。また、本や雑誌を処分する場合はくくってひとまとめにすると運びやすいので、ハサミと紐も用意しておきましょう。

作業用服、軍手、マスク、スリッパ

遺品整理の際にはホコリが大量に舞い散ることが多いです。また、作業中に思わぬ怪我をすることもあります。汚れてもいいような作業用の服と軍手、マスク、スリッパなどを用意しておけば、安心・安全に作業できます。

ゴミ袋

遺品整理では大量のゴミが出ることがあります。作業中に明らかにゴミだとわかるようなものは、その場で袋に入れていくと効率的です。ゴミ袋も多めに用意しましょう。自治体で指定のゴミ袋がある場合は、それを用意しておくことをおすすめします。

搬送用台車

遺品整理の際には家具や家電などの重い荷物を運ぶ機会も多いので、搬送用台車があると便利です。風で飛ばされたり物を載せる際に動いたりといったことがないので、ブレーキやストッパーが付いたものがおすすめです

3.遺品整理を自分でするときの流れ

遺品整理では大量の物を仕分けしなければならないため、やみくもにはじめてもなかなか思ったように作業が進みません。以下のような流れで段取りすることで、スムーズに遺品整理ができるようになるでしょう。

ステップ① 残す物と処分する物を仕分ける

まずは遺品の中で残す物処分する物を分けましょう。さらに、残す物は「資産価値がある物」「思い出がある物」に、処分するものは「リサイクル可能な物」「廃棄する物」に分けます。それぞれ具体的な例を下表にまとめました。

残すもの 処分するもの
①資産価値のあるもの ②思い出があるもの ③リサイクル可能なもの ④廃棄するもの
通帳 現金
クレジットカード
印鑑
有価証券(株券、債権、保険証券など)
土地などの権利書
身分証明書(パスポート)
健康保険証
貴金属
貴金属
着物など特別な衣服
アルバム
家電(テレビ、エアコン、冷蔵庫、洗濯機、パソコン、電話など)
家具
衣類
調理器具
可燃ごみ
不燃ごみ
資源ごみ
粗大ごみ

先ほどもご説明したように、仕分けた物はそれぞれ段ボールに入れていくと後からわかりやすいです。たとえば再利用ができない使用済みの服や下着、食料品などはすぐに廃棄できるよう最初からゴミ袋に入れるというように進めていきましょう。

廃棄するものは地域のゴミ出しのルールに従えば問題ありませんが、大量にある場合は直接処分場に持ち込むことも可能です。

ステップ② 残すものから更に仕分ける

残す物と処分する物を仕分けたら、残す物の中でさらに重要書類や資産価値がある物と思い出があるものを仕分けましょう。特に資産価値がある物に関しては相続手続きの際に必要となるケースもあるため、取り扱いには十分に注意しましょう

また、思い出の品は親族間で形見分けをできる状態にしておくことが大切です。当然のことながら遺品は廃棄してしまうと二度と戻ってきませんので、以下で挙げるような物はしっかりと残しておかれることをおすすめします。

①重要書類や資産価値のあるもの

重要書類や資産価値がある物の例としては以下が挙げられます。

  • ・通帳、印鑑、現金
  • クレジットカード
  • 有価証券(株式、債券、手形、小切手など)
  • 権利書関係
  • 身分証明書(マイナンバーカード、パスポートなど)
  • 健康保険証
  • 契約書類
  • 宝飾品
  • 着物

特に通帳や印鑑、権利書関係や身分証明書、契約書類などは相続手続きなどで必要になるケースもあるため、紛失したり誤って処分してしまったりすることのないよう、しっかりと管理しましょう。

②思い出があるもの

思い出の品としては以下のようなものが例として挙げられます。

  • 写真
  • 手紙
  • 宝飾品
  • 着物

親族で形見分けができるよう、上記のようなものはしっかりと残しておきましょう。また、他の親族が形見で受け取ることを故人と約束している場合もありますので、話し合いの際に確認しておくことも大切です。

ステップ③ 残さないものを仕分け、ゴミを処分する。

残す物の仕分けが完了したら、次は処分する物を仕分け・分別します。リサイクルできる物と廃棄する物に分けましょう。さらに、廃棄する物は以下のように分別します。

  • 燃えるゴミ
  • 燃えないゴミ
  • 資源ゴミ
  • 粗大ゴミ

これらは自治体のルールに従って廃棄しましょう。また、物量が多くてそのままだと生活に支障が出る場合などは、回収日を待たずに直接処分場に持ち込むことも可能です。

ステップ④ 不用品の処分方法

家具や家電などでまだ使えるけど不要なものに関しては、買取依頼などで処分することが可能です。ここからは不用品の処分のしかたについて見ていきましょう。

業者へ買取依頼をする

使える家具や家電はリサイクル品として、リサイクルショップや不用品買取業者で買い取ってもらえます。店頭に持ち込むほか、業者に来てもらって査定・回収を依頼することも可能です。買取代金を受け取ることもできるので、積極的に検討してみましょう。

個人間で譲渡や売買する

リサイクルショップや不用品買取業者に売るのではなく、オークションサイトやフリマアプリで個人に売却することも可能です。たとえばビンテージ家具や廃盤になっている家電などの希少性が高い物、需要が高い物は思わぬ値段で売れることもあります。

供養する

故人が使っていたものをゴミとして処分する、誰かに売ってしまうことに抵抗がある方は、供養をしてもらうという方法もあります。財布や印鑑、写真、家電など、さまざまな物をお焚き上げをして供養することができます。メイドマンでも品物の供養サービスを実施していますので、ぜひご相談ください
遺品整理の供養について

4.人手と時間が足りないときは無理せず業者へ依頼しよう

遺品整理は手間と時間がかかり、その負担は想像以上です。気持ちがまだ整理できていない、他にやるべきことが多くて余裕がない場合などは無理をして自分だけで抱え込まないでください。業者に依頼して作業を代行してもらうのも一つの手段です。

自分でやるメリットデメリット

遺品整理 メリット デメリット
自分でやる ・故人を偲びながら片付けられる
・最低限の費用で済む
・心の整理ができないと辛い作業
・手間と時間がかかる
事業者に依頼 ・遠方でも片付けできる
・仕分けも処分も任せられる
・費用がかかる
・清掃も依頼できる

遺品整理を自分で行うメリットとしては、故人を偲びながら自分の手で遺品を片付けられるという点と費用を抑えられる点が挙げられます。一方で、故人が大切にしていた物、愛用していた物を見て・触れることでつらい気持ちを思い出してしまうこともある点と、手間と時間がかかってしまうのも大きなデメリットです。

遺品整理を自分でするという選択肢をとれるケース

たとえば故人と同居していたり、あるいは住居が近い場合、親族が協力してくれる場合、遺品が少ない場合は、業者に依頼するのではなくご自身で行うという選択をしてもいいかもしれません。費用が抑えられ、個人の大切な品物をご自身の手で片付けることができます。

遺品整理業者に頼んだ方がいい場合

一方で、個人の住居地が遠方である方、賃貸に住まわれていて退去期限がある方、あるいは一軒家など整理をすべき場所の範囲が広い、遺品の量が多い、整理してくれる人手がいない場合などでは、負担が大きくなってしまいます。無理をせず遺品整理業者に頼んだほうがいいかもしれません。

5.まとめ

遺品整理を行う際には親族間でしっかりと話し合っておくことと、スケジュールを決めることが大切です。作業の流れを把握して、あらかじめ必要になる物品を用意しておきましょう。

遺品整理を自分で行うのは想像以上に大変です。以上でご紹介したとおり、ご自身の状況や個人の居住地との距離や物品の量、人手などを考慮して、自分で遺品整理を行うのか、業者に依頼するのかを判断しましょう。

6.愛知県名古屋市の遺品整理はメイドマンへ

名古屋市、愛知県で遺品整理にお悩みならメイドマンにお任せください。弊社は1996年に名古屋市で創業し、地域密着型で遺品整理のお手伝いをさせていただいています。明朗会計で、不用品の買取をご依頼いただくことでさらに料金をお安くすることも可能です。

単に遺品を整理するだけでなく、思い出の品の供養、清掃、庭のお手入れなど、幅広いお困りごとに対応可能です。

故人・ご遺族の方の想いやお気持ちに寄り添いながらお手伝いしますので、ぜひお気軽にご相談ください。