エンディングノートとは?遺言書との違いから書き方を見本付きでわかりやすく解説

2024年11月26日

終活では物を片付けたり遺言書を作成したり、さまざまなことをしなければなりません。「何からはじめていいのかわからない」「どう進めればいいのか悩んでいる」という方はまずエンディングノートを書いてみましょう。これによってご自身の状況や考えが整理でき、今後やるべきことが明らかになってくるはずです。

この記事ではこれから終活をはじめられる方のために、エンディングノートの書き方や注意点についてわかりやすくご説明します。

目次

記事監修者紹介

一般社団法人 認定遺品整理士認定協会
認定遺品整理士(認定 第 IS 01336号)
第二種電気工事士 愛知県知事許可 (第147439号)

進 康祐(シン コウスケ)
経歴

1997年7月にメイドマンの運営会社、株式会社プラウドエーに入社。
2011年に認定遺品整理士の資格を取得。
現在、プラウドエーにて遺品・生前整理事業部 部長として職務にあたる。
2022年7月にて入社25年を迎える。

エンディングノートとは

エンディングノートとは、もしものことがあった際にご家族や友人、身のまわりの方に向けてお願いしたいことや伝えたいことを書いておくためのノートや手紙のことです。

詳しくは後ほどご紹介しますが、ご自身の情報や治療・介護の意向、葬儀やお墓のこと、物の扱い、遺産の相続について、その他大切な方へのメッセージなどを書きます

エンディングノートを書くことでご家族に意思を伝えられるほか、ご自身の考え方が整理できて「これから何をすべきか」も明らかになり、有意義な余生を送ることにもつながります。

遺言書との違い

ご家族に意思を伝えるための書類として遺言書というものがあります。遺言書は主に遺産相続について記載し形式も決められていますが、エンディングノートはそれ以外のことも書くことができます。また、遺言書は公正証書となるため法的効力が生じます。

エンディングノートは法的効力が生じないものの、ご家族や身のまわりの方にお願いしたいことや伝えたいことを形式張らずに自由に書け、もしものときに負担を軽減できるというメリットがあります。

エンディングノートを書く時の注意点

エンディングノートは特に決まった形式がなく自由に書くことができますが、後々トラブルを防ぐために、また大切な方に伝えたいことが伝わるよう、以下のようなことに注意して書かれることをおすすめします。

銀行口座の暗証番号は記入しない 

エンディングノートはご家族の方や身のまわりの方にその在処を伝えます。また、何らかの理由で第三者に内容が流出する可能性も否定できないため、銀行口座の暗証番号などの重要な情報は記載しないようにしましょう

 法的な効力はない

前述のとおりエンディングノートには法的な効力は発生しません。そのため、ご家族や身のまわりの方がエンディングノートの内容に従うかどうかは任意となります。遺産相続について強い意思があるのであれば、遺言書を作成されることをおすすめします

無理に埋めようとしない  

特に既製品やフォーマットを使う場合は項目があらかじめ決められています。中には考えがまとまっていない内容や書きたくない事柄もあるかもしれません。そこで悩んでいるとなかなか進まないため、無理に項目を埋める必要はありません

保管場所を家族に知らせる 

エンディングノートはご家族や身のまわりの方にご自身の希望やメッセージを伝えるためのものなので、見つけられなければ意味がありません。作成したらご家族の方に保管場所を伝えておきましょう

定期的に見直しをする

エンディングノートは1回作ったら終わりではありません。状況や考え方が変わる可能性も十分にあり得ます。より良い人生を送るために、ご家族が幸せに暮らせるように、定期的に内容を見直し、必要に応じて修正しましょう

エンディングノートはいつからかけばいい?

 

エンディングノートはいつから書かなければならないといった決まりはありません。思い立ったときや人生の節目(還暦や古希などを迎えたときや退職した後、お孫さんが産まれた際など)を迎えたときなど、いつでも構いません。「思い立ったが吉日」ではありませんが、終活を意識し出したら早めに作成されるのがおすすめです

60代後半で終活をはじめ、そのタイミングでエンディングノートも作られる方が多いようです。

エンディングノートはどこで買える?

エンディングノートはどのように用意したらいいのでしょうか。ここからはエンディングノートが買える場所やどのようなものがあるのかについてご紹介します。

普通のノートを使う 

エンディングノートには特に決まった形式や書式があるわけではありませんので、普通のノートを選んでも問題ありません。大切なのは内容です。勉強や仕事で使うような罫線ノートや方眼ノートでも、伝えたいことが伝われば立派なエンディングノートとなります。

ただ、好きなデザインや質感のものを選べば、書く作業が楽しくなり、愛着も湧きます。ずっと残るものですから、ノート選びにこだわってみてもいいかもしれません。

市販品を使う

終活が一般的になってきて、エンディングノートの市販品もさまざま販売されています。書店やインターネット通販で購入できるほか、最近ではダイソー、キャンドゥ、セリア等の100円ショップでも売られています。

こうした市販品はあらかじめ書く項目が設けられているので、はじめて終活に取り組む方でも使いやすいです

ダウンロードして使う

自治体のホームページや終活サイトなどではエンディングノートのテンプレートが公開されていて、それをダウンロード・印刷するという方法もあります。お金がかからないことと、市販品と同様にあらかじめ項目が設けられているので使いやすい・見やすいというのがメリットです

たとえば北名古屋市役所ではエンディングノートのテンプレートをPDFファイルで公開しています。

同様に豊川市役所もホームページでテンプレートがダウンロードできるようになっています。

アプリを使う

最近ではエンディングノートが作成できるアプリも数多くあります。手書きで作成するのが大変だと感じられる方はスマートフォンやパソコンで作ってもいいかもしれません。内容の修正がしやすい、検索がしやすいなどのメリットがあります

ただし、サービスが終了する可能性がある、端末やアプリを起動するためのパスワードを教えておかないとご家族がエンディングノートを見られないなどの注意点もあります。

エンディングノートの項目と書き方例

エンディングノートは特に内容や形式に決まりがなく自由に作ることができます。それだけに何を書いていいかわからないと戸惑われる方も少なくありません。ここからはエンディングノートに記載しておいたほうがいい内容について見ていきましょう。

自分の基本情報

まずはご自身の情報について記載しておきましょう。氏名、生年月日、血液型、住所、電話番号などを記載しておくことで、入院や介護をはじめ各種手続きがしやすくなります。

名前 姓 メイドマン 名 太郎
生年月日 西暦 19○○ 年(大正・昭和・平成 ○○ 年)
○○ 月 ○○ 日 生まれ
住所 〒463-****
愛知県名古屋市****
本籍地 〒463-****
愛知県名古屋市****
血液型 O 型
性別 男性
星座 うお座
干支 辰年
趣味 読書
散歩 特技 書道
好きな食べ物 和食全般

パスワード等の個人情報

パソコンやスマートフォン、あるいはネットサービスのログイン情報(IDとパスワード、メールアドレスなど)を記載しておきましょう。これらがないとアカウントやサービスを解約したりデータを削除したりすることができません。

◆携帯電話

契約会社 ****会社
電話番号 080-****-****
名義人 メイドマン 太郎
メールアドレス ****@**.com
ロック解除番号 12345
支払い方法 銀行引き落とし
もしもの時の希望 データは削除を希望

◆ID・パスワード

利用先名 Amazon
メールアドレス ****@**.com
ID maidman
パスワード 12345

ペットについて

ペットを飼われている場合は、名前や性別、血統書の有無、かかりつけの動物病院、その他好きなごはんなどの情報を記載しておくことで、世話を引き継いだ方の負担が軽減できます。

ペットの名前 しばたろう
性別 オス
ペットの種類 柴犬
誕生日 ****年*月*日
いつも食べているごはん ****
好きな食べ物 鶏肉
かかりつけ医の住所 〒463-****
愛知県名古屋市****
052-***-****

資産や相続について

預金や保険、不動産、有価証券、その他貴重品などの資産の品目や金額、所在地、契約書や権利書の在処などの情報を記載することで、相続手続きの負担を軽減できます。相続に関する希望もエンディングノートに書いてもかまいませんが、強い希望がある場合は法的効力がある遺言書を作成されるのがおすすめです。また、ローンや借金などの負債についても記載しておきましょう。

◆預貯金

金融機関名 ○○銀行
支店名 ○○支店
預貯金の種類 ○○預金
口座番号 ○○○○○○
口座名義 メイドマン 太郎
口座の種類 ○○
連絡先 080-****-****
通帳・印鑑の保管場所 タンスの中

◆不動産

種類 土地
名義人 メイドマン 太郎
持ち分 ******
所在地 〒463-****
愛知県名古屋市****
用途 駐車場
備考

持病など健康について

ご自身の健康状態や持病、過去の既往歴、飲んでいる薬、現在受けている治療の内容、今後の治療に対する希望などについて記載しておきましょう。これによって万が一体調を崩した場合でも適切な治療が受けられるようになります。

介護について

要介護状態になったときにどうしてほしいのか(在宅なのか施設に入るのか)や、誰に面倒を見てもらいたいのか、介護の費用をどうするのかについて記載します。

介護の費用 預貯金を使うことを希望
アレルギー 有 ☑ (甲殻類) 無 □
持病 有 □ 無 ☑
常用薬 有☑ 無 □(常用薬を記載)
延命治療 希望する □ 希望しない ☑
臓器提供 希望する ☑ 希望しない □
その他伝えたい事

葬儀の希望

万が一のことが起きたときに、希望する葬儀の形式、宗派、参列に来てほしい人の氏名や連絡先、お墓や納骨の方法、葬儀や供養の費用などについて書いておきましょう。これらの情報が明らかになっているだけでも、ご家族の負担を大きく軽減できます。

葬式の規模 「一般葬」☑ 「家族葬」□ 「一日葬」□ 「直葬」□
遺影 有 □ 無 ☑ 保管場所( )
葬儀の費用 保険で用意している(詳細を記載)
納骨してほしい寺院・霊園 寺院名・霊園名 ○○寺
所在地 〒463-****
愛知県名古屋市****
連絡先 080-○○○○―○○○○

遺言書の有無

遺言書の有無についても記載しましょう。特に相続は遺族間で揉めやすい事柄なので、トラブルを防ぐためにも遺言書について明らかにしておくことが重要です。

遺言書の有無 有 ☑ 無 □ 保管場所( タンスの中 )
種類 自筆証書遺言 ☑ 公正証書遺言 □ 秘密証書遺言 □

思い出、やりたいこと、大切な人へのメッセージも

エンディングノートは何を書いても構いません。ご家族や大切な方への感謝の気持ちやアドバイス、メッセージなどを書くのも素敵です。こうした想いを込めることで、エンディングノートがただの情報伝達のための書類ではなく、ご家族や大切な方の宝物となるはずです。

行きたい場所 屋久島
やりたい事 富士山に登る
見たい映画 ****
好きな場所 ***
メッセージ

まとめ

エンディングノートを作成することで、もしものことがあったときにご家族の負担を減らすことができます。また、ご自身の状況や考え、気持ちが整理でき、終活がしやすくなると同時に、今後の充実した人生にもつながります。これから終活をされるのであれば、まずはその第一歩としてエンディングノート作りからはじめられることをおすすめします。

愛知県名古屋市で終活のご相談はメイドマンへ

終活にはエンディングノートの作成をはじめ、やるべきことがさまざまあります。特に身のまわりの整理は非常に大変です。

もしお困りでしたらメイドマンにご相談ください。弊社は名古屋市を中心に愛知県全域で遺品整理や生前整理のお手伝いをさせていただいております。不用品の整理、室内の清掃、植栽の伐採や剪定、お引越し・配送手配など、さまざまな作業を承ります。遺品整理士の有資格者が丁寧に対応いたしますので、安心してお任せください。