2021年02月19日
遺品整理とは
亡くなった家族が残した品物を整理、片付けをすることを遺品整理といいます。
遺品と聞くと現金や骨董品といった相続に必要となるものを想像してしまいがちですが、故人が生活で使用していた服や家具、家電、食器やゴミといったものも全て含まれます。
同居している家族でも大変な片付けですが、遠方に住んでいる場合は何度も通わなければならずその労力だけでもかなりの負担となります。
残すべきもの、処分するもののより分けや、不要なものの処分などするべきことが多い遺品整理。
自分ですべきか業者に頼むべきなのか悩む方のために、遺品整理をする際に知っておきたいそれぞれのメリットデメリットを詳しくご紹介します。
遺品整理は自分でできる!?
大切な家族との別れは、いつも突然です。
そうはいっても、遺品整理を一生のうちに何度も経験することはほとんどありません。
基本的には故人の相続人が遺品整理の責任者となるため、故人のことをよく知っている家族が作業を請け負うことになります。
そこで自分たちだけで遺品整理をすることには、どんなメリットやデメリットが考えられるのか詳しく見ていきましょう。
1.遺品整理を自分で行うメリット
遺品整理を自分ですることのメリットは、なんといっても費用が抑えられることです。
また自分のペースで作業ができますので、遺品を丁寧に扱い、心の整理をすることもできます。
また見知らぬ第三者を家に入れることがないため、盗難や破損といったリスクを回避できることもメリットといえます。
悪質な業者に当たってしまった場合、高額な請求、必要なものを勝手に処分されたりすることもあります。
また、業者に頼んだもののその作業内容に納得できなかったりといった後悔をせずに済むことも大きいです。
2.遺品整理を自分で行うデメリット
自分で遺品整理をする際、最も大変なのは金銭的・時間的な負担がすべて自分にかかってくるということです。
特に不用品の処分は、大きな家具や家電だと搬出も大変ですし、自治体によって分別方法や処分方法が違うため、費用もかかります。
また遠方に住んでいる場合は、何度も通う必要があります。
さらに故人が賃貸に住んでいた場合、退去の日が決められていることもあり、短期間で片付けをしなければならなくなるといったこともあります。
さらに遺品が大量にある場合、どこから片付けるべきなのか分からなくなってしまい、途方にくれるということも少なくありません。
何よりも遺品を片付けるということは、故人との思い出に向き合うことであり、精神的な負担が大きいため、思うように片付けが進まないことがデメリットといえます。
遺品整理は業者に依頼すべき!?
遺品整理を自分ですることは、メリットはあるものの、精神的身体的な負担を考えると、簡単ではありません。
また相続に必要となる金品や重要書類などは、早めに見つけなければならないため、実際に考えている以上に遺品整理は短期間で終わらさなければなりません。
そういった点からも業者に依頼する必要が出てくることもあります。
そこで業者に依頼するメリットにはどんなものがあるのか詳しく見ていきましょう。
1.遺品整理を業者に依頼するメリット
業者に依頼して、遺品整理をすることの一番のメリットは、短期間で片付けが済むということです。
特にすぐ見つけたい貴重品などがある場合、仕分けをすぐにしてもらえますので整理している間に故人のことを思い出してしまい作業が進まないということもありません。
大きな家具の搬出もしてもらえますし、大量に出たゴミの処分もしてもらえます。
さらに不用品の引き取りや処分、リサイクル可能な家電や家具の買い取りをしてくれる業者もあります。
また分別や片付けだけでなく、整理後の清掃までしてもらえますので、家の売却を考えている場合や賃貸の場合は自分でする負担が軽減することも大きなメリットといえます。
2.遺品整理を業者に依頼するデメリット
業者に遺品整理を依頼する場合、費用がかかることがデメリットといえます。
基本料金は家の広さですが、整理するものが多ければそれだけ費用もかさみます。
また心の整理がつかないうちに片付けられてしまう、また、故人が大切にしていたものや価値あるものであっても一括で査定されてしまうため、安く買い取られてしまうこともあります。
結局どっちがいいの!?
遺品整理を自分でするべきか、業者に依頼するべきかは、ケースバイケースです。
どちらを選んだ方がいいのかではなく、今の状況や今後のことをよく考えた上で決断することが必要となります。
そこでどういった場合には自分でした方がいいのか、それとも業者に頼むべきなのかを詳しく見ていきましょう。
1.遺品整理を自分でできる場合
片付ける部屋が1部屋から3部屋程度と少ない場合や、故人が生前整理をしていて片付けるものが少ない、また不用品やゴミの処分をする施設が近くにあるなら、自分で遺品整理をした方が早く片付きます。
またトラックなどを使い、自分で集積場まで持ち込みができるなら、処分業者に依頼するより費用が抑えられます。
2.遺品整理を業者に頼むべき場合
故人が賃貸に住んでいた場合や住んでいた家を処分する予定がある場合には、業者に依頼した方が早く片付けが済むことに加え、清掃もしてもらえるので助かります。
また遺品が大量で足の踏み場がないほど散らかっている場合や、整理が行き届いていない場合も業者に依頼すべきだといえます。
また、遺品整理をする人が遠方に住んでいてなかなか片付けに通うことができない、また人手が足りず家具や家電を家から運び出したり処分することが難しいといったことがあるなら、業者に依頼してもらう方がスムーズです。
遺産整理を行う上での注意点
遺品整理は自分でする場合でも、業者に依頼する場合でも、後になってトラブルになることがないよう、事前に注意したいことがいくつかあります。
そこで遺品整理における注意点について3つご紹介します。
1.他の相続人との話し合いの場を設けること
遺品整理の前に大切なのが、他の相続人と話し合う場を作ることです。
他に相続人がいない場合は別ですが、遺品整理を全面的に任されたとしても、後になって貴重品が見つかった場合や「もらう約束をしていた」といったことが出てくることも考えられますので、事前に話し合うようにしましょう。
特に現金以外の遺品については分割が難しいため、事前にどうするかを決めておく必要があります。
2.「負の遺産」に注意!!
遺品整理の前に注意したいのが、「負の遺産」です。
負の遺産とは、その言葉の通り借金などのことで、相続する遺産よりマイナスの遺産が多い場合は、相続を放棄することが可能です。
ただし負の遺産があることを確認せず遺品整理を始めてしまうと、相続すると見なされてしまいます。
遺品整理の前に、故人に負の遺産がないかどうかを確認するようにしましょう。
3.業者選びは慎重に!
遺品整理に業者に依頼する場合、費用だけでなくきちんと対応してくれる業者であるかどうか慎重に選ぶ必要があります。そのためにも、依頼する業者は複数選んで見積書を作成してもらうようにしましょう。
さらにキャンセル料や追加料金が発生した場合、いつ支払うのかどれだけかかるのかも確認しましょう。
また、業者に依頼してすべて任せきりにするのではなく、可能であれば立ち会うようにしましょう。
そうすることで必要なものを処分されたりすることがなくなり、業者が確認したいことが出てきた場合にすぐ対応ができます。
作業の日程は、自分が立ち会える日に合わせてもらうようにすることをおすすめします。